日本農芸化学会2011年度大会開催にあたって

植田和光

2011年度大会実行委員長 植田和光

日本農芸化学会2011年度大会を開催するにあたり、一言ご挨拶申し上げます。

今回は2006年度大会に引き続き、京都女子大学で開催させていただくことになりました。京都女子大学は、JR京都駅、阪急河原町駅、京阪七条駅の各駅からバスで10分と交通の便が大変よいことが特徴です。また、2006年度大会において京都女子大学の学生さんの温かいおもてなしの心に感動された方も多いと思います。大会実行委員長を拝命して、まず会場を京都女子大学にお願いし、幸い快諾していただきました。

会期は、3月25日(金)~28日(月)の4日間、初日の25日に、岡崎公園の京都会館で総会、各種授賞式、受賞者講演を、懇親会は場所を移動して蹴上のウェスティン都ホテルで開催します。26日から28日まで3日間は、京都女子大学のキャンパスで一般講演、シンポジウム、展示会、ランチョンセミナー、ジュニア農芸化学会、ミキサー等を行います。

また、前日の24日(木)の午後には、京都大学百周年時計台記念館において化学と生物シンポジウム「美味しく健康に生きるヒント–知ってナットク!日本食の底力 –」を開催します。また、28日の午後から29日にかけてフロンティアシンポジウムを京の街中の聖護院で開催し、若手研究者の交流を推進します。

一般講演を含め発表はすべて口頭発表で、ご自身のコンピューターで液晶プロジェクターを用いて行います。最近、顕微鏡写真や精密な図を用いた発表が増加しております。大切な研究成果を十分な明るさと高解像度で映し出し、充分な討論をしていただくために、必要だと考えたからです。ご自身のコンピューターを用いた一般講演は、農芸化学会では初めての試みです。事前にご自身のコンピューターの使用方法に習熟していただけますよう、お願いいたします。

今回の大会のキーワードは、「緊密な連携」です。まずプログラムの領域を、「分野間の連携」をめざして少し変更いたしました。シンポジウムでは、「分野間の連携」をめざし、近隣諸国から15名以上の演者を招き「アジア諸国との連携」をめざします。

農芸化学分野は、社会のニーズに近いところで活動していることが特色です。「社会との連携」をさらに促進するため、拡大サイエンスカフェ、高大連携シンポジウム、ジュニア農芸化学、産学官学術交流委員会フォーラムなどを開催します。

拡大サイエンスカフェ「京料理の挑戦:農芸化学とガストロノミーの融合」は、京都の料亭料理人と大学研究者が、京料理を科学します。また、数々の実験的な料理を実演し、料理人の解説とともに参加者に試食していただきます。なお、本企画は一般公開し、一般の方々にも参加していただく予定です。

高校との連携を促進するため、高大連携シンポジウム、ジュニア農芸化学を開催します。

産業界との連携を促進するため、産学官学術交流委員会フォーラムを開催します。さらに、それに引き続きポスターディスカッションを大会ミキサー会場で開催し、産業界と大学との交流をはかります。

また、新しい試みとして従来ポスター発表であったトピックス賞を講演形式で発表していただきます。

学会体験コースでは、大学の学部学生、外国籍の大学院生・研究生に学会を体験してもらい、将来に学会活動を支える層を開拓します。

最後に、本大会を開催するに当たって、多くの企業・団体からのご寄付、展示、ランチョンセミナー、広告掲載などご支援いただきましたことに対し、心から感謝申し上げます。大会を通して、新しい情報を得、新しい情報を発信し、新しい仲間を作り、ともに大いに議論し、旧交を温め、有意義な4日間を過ごしていただきますようお願い申し上げます。