日本農芸化学会2016年度大会開催にあたって

川端 潤

2016年度大会実行委員長 川端 潤

日本農芸化学会2016年度大会開催にあたり、一言ご挨拶申し上げます。

今回の大会は2005年以来11年ぶりに北海道支部の担当で札幌市で開催いたします。会期は3月27日(日)から30日(水)の4日間です。初日の27日は、「札幌市教育文化会館・大ホール」において授賞式、受賞講演、および農芸化学「化学と生物」シンポジウムを開催し、その後「ホテルロイトン札幌」に移動して懇親会を行います。授賞式等の会場である教育文化会館から懇親会場のホテルロイトン札幌までは徒歩3分と近く、またいずれの会場も市営地下鉄東西線「西11丁目」駅から徒歩5分と大変便利のよい場所にあります。

昨年に引き続き、受賞講演の終了後懇親会までの時間に農芸化学「化学と生物」シンポジウムを行います。今回は演者のお一人に2010年ノーベル化学賞を受賞された鈴木章先生をお迎えして、高校生や一般の方々向けにもわかりやすいお話をしていただく予定となっております。どうか会員の皆様方も奮ってご参加ください。

翌28日から30日までの3日間は、会場を「札幌コンベンションセンター」および「札幌市産業振興センター」(いずれも市営地下鉄東西線「東札幌」駅から徒歩8分)に移して一般講演(ポスター発表)シンポジウム、および附設展示会を行います。一般講演はすべてポスター発表とし、コンベンションセンター・大ホール全面を使用して1日ごとにすべて貼り替えるシステムとします。各日昼休み後の時間帯にコアタイムを設定しますので、活発なご議論をお願いいたします。また、シンポジウム(25課題)は同センター内で、28、29日の午前・午後および30日午前のコアタイムと重ならない時間帯に設定しています。

今回は、多彩な分野と連携し進歩を遂げている農芸化学に着目した「複合分野を拓く」を基本テーマとし、農芸化学の次世代研究発展のため「若手研究者から構成された公募課題(若手枠)」を設定することで、農芸化学研究の活性化をコンセプトとして掲げました。附設展示会のメーン会場となる産業振興センターは、コンベンションセンターの目の前徒歩30秒の至便な位置にありますので、ぜひ足をお運びください。また、こちらにはドリンクサービス等の休憩施設もおかれますので、ディスカッションで疲れた頭を休め、リフレッシュするためにご活用ください。

各種の恒例企画も同様に行います。28日午前のジュニア農芸化学会は北海道では初めての開催となります。前回札幌大会(2005)の翌年の京都大会が初回でしたので、今回でちょうど全国を一巡したことになります。高校生による斬新な発想とりっぱな成果には毎年感心させられます。今年もぜひ若い生徒たちに温かいご声援をお願いいたします。参加校には前日に農芸化学「化学と生物」シンポジウムを聴いてもらい、当日朝から発表、表彰式、交流会を経て昼過ぎには解散するスケジュールです。

29日午後には農芸化学会の大きな特徴である産学官の連携促進のための産学官学術交流フォーラムが開催されます。会場内では同時にミニポスターセッションも企画されています。また同日夕刻には大会参加者が気軽に交流できる場として、参加費無料のミキサーも行います。昼食時のランチョンセミナーも例年同様開催いたします。あいにく会場近辺の供食施設は限られていますので、ご参加をお勧めします。男女共同参画(28日)、JABEE(30日)の2つのランチョンシンポジウムも、今年はさらに充実拡大して行われますので、こちらもどうか積極的にご参加ください。

大会最終日の30日夕方から翌日にかけては、若手研究者・学生を対象とした「農芸化学Frontiersシンポジウム」を札幌郊外の定山渓温泉「定山渓ビューホテル」で開催いたします。 今回も若手研究者・教員、大学院生・学生の活発な交流の場となることを期待しています。翌31日午後からは希望者にはエクスカーションも企画されますので、奮ってご参加ください。

本大会の実行委員会は、北海道支部の多くの会員に参加・協力していただいています。北海道支部は全国7支部のうち最も規模の小さい支部ではありますが、ほぼ10年ぶりの本大会を無事に運営できますよう、総力を挙げて万全の準備にあたっています。3月下旬の札幌はまだまだ冬の名残りが消えず、前回2005年大会では雪が降り寒い思いをされたことをご記憶の方もおられるかと思います。どうか暖かい服装で、スケジュールには余裕をもっておでかけください。天候ばかりは実行委員会の努力ではいかんともできませんが、それ以外の事柄につきましてお気づきの点やご不明な点がありましたら、遠慮なくお問い合わせください。

最後になりましたが、本大会を開催するに当たって多くの企業・団体からのご寄付、展示、ランチョンセミナー、広告掲載などご支援頂きましたことに対し心から感謝申し上げます。おりしも本札幌大会の開催前日の3月26日は、この北の大地に初めて新幹線が走り出す歴史的な日です。農芸化学会もいよいよ100周年の節目が近づいてきました。時代はどんどん動いています。本大会が、世代の壁を越え、専門の壁を越え、未来に飛躍する新しい農芸化学の潮流の起点となることを祈念し、みなさま方のお出でを心よりお待ち申し上げます。