会員のみなさまへ

2009.04.01

第57代日本農芸化学会会長:清水 昌

日本農芸化学会会長:清水 昌

このたび、2009年度大会において、日本農芸化学会会長に選任されました清水でございます。会長就任に当たり会員のみなさまにご挨拶申し上げます。80有余年の長い歴史・伝統・実績のありますこの日本農芸化学会の会長に任命されましたことを、大変光栄に思っております。

私 は、前執行部で副会長を仰せつかっておりましたが、その私が、役員選考委員会や総会で会長をやるようにとご下命を受けましたことは、多くの会員の方々が、 これまで、数々の大きな仕事をしてこられた磯貝彰前会長・執行部の方針を引き継いで、次の2年間でさらに発展・展開させなさいと言っておられるのだと感じ ております。その使命と責任の重さを痛感しております。

日本農芸化学会は、その長い歴史の中で、先輩会員を大切にし、会員相互の交流を活発 に行うというゆかしい伝統をはぐくんできました。また、インダストリーを大事にするとともに積極的にこれを取り込むことで他の学会には見られないユニーク な発展・展開してきました。これらは、学会の基盤であるとともに、見方を変えますと、単に、学術のみに偏重することなく、常に社会との関係に注力して、社 会に対する役割、どの様に社会へ貢献するかを考えながら学会の運営がなされてきたのだと思っております。これは、学会として、特に意識してされてきたこと ではないかも知れませんが、日本農芸化学会の他の学会では見られない特徴というか、主要な機能の一つであると思っております。

昨今、大学や 学会の役割の中で、社会的責任、社会への貢献、すなわち、学会として社会にどう貢献していくのかがますます問われる時代になってきております。公益法人の 見直しや、学会の公益法人化もこのような流れの一環であるかと思われます。日本農芸化学会のこのような社会とのつながりを重視してやってきたこれまでの特 徴・機能を大事にし、さらに活かすことで、学会の将来を見据えた運営をしていきたいと考えております。

一方で、農芸化学という言葉が大学か ら消えて久しいものがあります。これからの学会を支える若い会員、さらにはもっと若いこれから学会員になるであろう若い層にどう目を向けて行くか、これも 学会の将来を左右する重大な課題のひとつであります。良い方向に持って行けるよう、長期にわたって展開できるよう、基盤を築くことにも意識して、2年間の 会長職を務めたいと思っております。

現在、あるいはこれから学会として推進せねばならない事業の主なものについて少し触れさせていただきます。

ひとつは、学会の公益法人化に向けた準備であります。これは、学会における公益とは何かということが不透明な中、どうしてもクリアしなければならない重要課題であります。(財)農芸化学研究奨励会との合併を視野に入れつつ、公益社団法人への移行に伴う学会体制を整備し、日本農芸化学会の社会的立場を強化するとともに、学会活動を生かしてまいります。

も うひとつは、学会の内外に向けたコミュニケーションシステムの充実であります。Webの活用をいっそう充実させることも新執行部の使命であります。これま で雑誌の会告等に頼っておりました、学会の情報をより迅速・詳細に伝えることができるようになります。これは、将来的には、雑誌制作等の経費の圧縮にもつ ながるものであります。

さらに、学会の国際化の一環として、二国間や地域間交流の試みを展開しつつあります。また、学会の将来を担う若手や その予備軍である小・中・高校にも学会としてのネットワーク拡げ、農芸化学を正しく知ってもらう努力をしていきたいと考えております。これには、理科教科 書への提言、大会などの学会活動への高校生や理科教師の参加の呼びかけ、サイエンスカフェなどの広報活動の一層の充実などが含まれます。

世界の経済がシュリンクしている現状は、学会の運営にとりましても、困った不透明な部分といえますが、状況の変化にも柔軟に対応できるよう、運営していきたいと思っております。会員の皆様のご支持とご協力をお願い申し上げます。