概要

日時 2012年7月19日(木) 、7月23日(月)、7月24日(火)16:45~19:30
学校 宮城県仙台二華高等学校
対象 3年生 53名
テーマ 「組換えDNA技術がもたらした生命科学・医学研究への影響」
講師 東北大学大学院農学研究科 准教授 米山 裕 氏
内容 「形質転換実験」(7月19日、23日)
pGLOバクテリア遺伝子組換えキット(Bio-Rad社)を使用し、外来遺伝子(GFP遺伝子)を有するプラスミド(pGLO)を大腸菌に形質転換して、その遺伝子の発現を観察した。
「遺伝子発現の観察」(7月23日)
pGLOを形質転換した大腸菌を前日に平板に塗布後培養し、実験当日平板(約600コロニー/プレート)を4分画して誘導物質であるアラビノース溶液を授業実施6時間前と3時間前に滴下した。授業開始時に生徒が残りの2区画のうちの1区画にアラビノースを滴下し最後に残った区画を対照として培養し、授業終了前にGFPの発現をブラックライトにて観察した。
「手指常在細菌の培養」(7月23日、24日)
生徒全員に事前に準備しておいた寒天平板を渡し、手指に付着している常在細菌の培養を行った。翌日にその結果を観察した。
「出前講義」(7月24日)
「組換えDNA技術がもたらした生命科学・医学研究への影響」と題して、今回の出前授業の総括的な講義と、組換え技術の応用に関して話題を提供した。

出前授業を受けた生徒さんたちの率直な感想

  • 普通なら高校生のうちにはできないような実験を行うことができて、とても良い経験になりました。
  • 事前に予想を立てて考えたりすることができ、すごく良い経験でした。
  • 小さな環境まで完璧にして研究者は実験を成功させていたのだと、すごいと思いました。
  • 細胞内で授業で見たアニメーションのようなことが起こっているんだと実感でき、感激しました。
  • 条件を1つずつ変えるだけでこんなにも結果が違うことに驚きました。
  • 大学生になったらこんな実験ができるかもしれないと思いながら、実験をしていました。
  • 今回の実験で遺伝子組換えに対しての考え方が変わりました。遺伝子組換えといえば、耐性のある物質をつくるというあまりよい印象を持っていなかったが、今後どんどん利用されていくのだと思うと素晴らしいと思いました。
  • 形質転換を自分の手で実感することができ、遺伝子についての興味が深まった。
  • 大学の実験がどのくらいレベルが高いのか知ることができた良い機会となりました。
  • いつか環境や人にやさしいバイオテクノロジーを開発する一員になりたいと思いました。
  • 今回の実験はとても本格的で失敗しないかと終始緊張しっぱなしでした。
  • 今回の実験により授業で習ったことへの理解をより深めることができました。
  • 光る大腸菌を見た時、すごく神秘的で綺麗で、最も感動しました。
  • 細菌というものをすごく身近に感じるようになり、また、自分の体についた細菌を実際に見ることで、わたしたちが細菌と共存していることを実感しました。
  • これからのエネルギーを作る可能性も人が持たない能力も持ち得るであろうバクテリアについて、常に興味を持っていきたいと思います。
  • 将来医療分野の仕事に就きたいので、このような形質転換が医療現場でどのように利用されているか調べてみようと思います。
  • 大腸菌を自分で培養してから結果を観察するので、時間がかかる分結果を見るまでの時間がとても待ち遠しく感じました。
  • コロニーの数が少なかった理由もわかり、実験には細心の注意が必要だと思い知らされました。
  • 遺伝子組換え技術の意義を考えるきっかけになったと思います。

出前授業風景

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