Archive for the '年次大会' Category

Published by 学会事務局 on 13 4月 2010

日本農芸化学会2011年度大会シンポジウム課題の募集

日本農芸化学会2011年度大会実行委員会

日本農芸化学会2011年度大会は2011年(平成23年)3月25日(金)~28日(月)の4日間、京都女子大学(京都市東山区)を主会場として開催される予定です。

大会最終日3月28日(月)の午前と午後に、それぞれ約3時間の枠でシンポジウム課題を広く会員の皆様に公募し、約20課題を採択します。テーマのご提案にあたりまして、以下の大会シンポジウム指針を参考にしてください。

生命・食糧・環境の分野を主な対象とした農芸化学は、物理化学、有機化学、生化学、遺伝学、分子生物学など様々な切り口からの生命現象の機構解明と幅広い応用を目指して発展してきました。そしてそれは、ビタミンの発見やうま味成分としてのアミノ酸の同定・それらの工業生産の実用化を例に挙げるまでもなく、“身近な暮らしとそこに潜む生命現象”が出発点となっています。

前回の京都大会(2006年度)と同様に、一般講演では有機化学・微生物・食品などの領域に細分化され個別には取り上げられにくいテーマ、環境分野、産学連携など、領域横断型シンポジウムの提案を募ります。

一方、近隣アジア諸国には、日本の農芸化学を学んだ多くの方がリーダーとなり、各国の学会・産業界でそれぞれ自国や地域の生活の特色を生かしながら、活躍されています。それには多くの伝統的分野から最先端技術が含まれています。そこで、2011年度京都大会では次世代の農芸化学分野を担う近隣アジア諸国の研究者と科学上の議論や産学連携はもちろんのこと、それぞれの分野におけるテーマや問題意識を国や民族の違いを超えて共有できるような国際化を目指したシンポジウムの提案を歓迎します。そこでは、近隣アジア諸国からの講演者の招聘を1シンポジウムあたり1-2人程度支援する予定です。

ご提案いただいたシンポジウム企画は、シンポジウム準備委員会にて決定の後、8月末頃までに応募者宛てに採否をご連絡いたします。

その他ご不明な点がございましたら、シンポジウム担当まで問い合わせください。

応募要領

応募期限 2010年7月10日 (募集は終了しました。)
必要事項 1:タイトル(仮題)
2:世話人の氏名・所属(2~3名)
3:趣旨と概略(400字程度)
4:予定される講演者案(所属 及び 学会員・非学会員区分)
5:海外からの講演者の有無
6:予想される聴衆の数
7:その他の参考となる事項(国際化を目指したシンポジウムの場合、従来の交流実績や世話人との関係、同時期に開催されるシンポジウムへの招聘、共催の有無など)
8:世話人代表者の氏名および連絡先(〒、所在地、所属、TEL、FAX、E-mail) (世話人代表者は国内本学会正会員に限る)
問い合わせ先 シンポジウム担当 
代表:阪井康能(京都大学大学院農学研究科)
E-mail:ysakai@kais.kyoto-u.ac.jp
副代表:河内孝之(京都大学大学院生命科学研究科)
E-mail:tkohchi@lif.kyoto-u.ac.jp

Published by 学会事務局 on 10 8月 2009

2009年度大会を顧みて

日本農芸化学会2009年度大会は、本年3月27日(金)から29日(日)までの3日間、博多港中央ふ頭地区に位置する複合コンベンションセンター・福岡国際会議場(写真1)とマリンメッセ福岡において開催された。福岡での開催は10年ぶりとなる。大会は例年通り盛況で、参加者総数5,136名(名古屋で開催された2008年度大会は5,267名)、一般講演数2,718題(前回2,427題)であった。

写真1.福岡国際会議場
写真1.福岡国際会議場

大会初日3月27日(金)午前中、福岡国際会議場3階メインホールにおいて総会が開催された。まず、2008年度事業の会務および決算に対する監査が報告され、続いて清水昌新会長から、磯貝彰前会長の方針を継承し農芸化学会として社会連携に一層努力していきたい、との挨拶があった。次に、新役員、評議員等の承認、細則の変更、2009年度事業計画と予算案が議題として提出され、審議を経て原案通り承認された。

最後に、大村智氏(北里研究所理事・所長、北里大学名誉教授)の長年の功績に対して名誉会員証が贈呈された。総会に引き続いて、2009年度の学会賞(2件)、功績賞(2件)、技術賞(1件)、奨励賞(10件)、の授賞式(写真2)、2008年B.B.B.論文賞とMost-Cited Paper Award(1件)、および第6回農芸化学研究企画賞(3件)の表彰式が行われた。また、本会推薦の田中良和氏(サントリー(株)R&D推進部、植物科学研究所)が日本農学賞を受賞されたことが報告された。

写真2.日本農芸化学会各種受賞表彰式 福岡国際会議場3階メインホールにて
写真2.日本農芸化学会各種受賞表彰式 福岡国際会議場3階メインホールにて

3月27日(金)午後には、引き続き各賞の受賞者講演が福岡国際会議場3階メインホールにおいて行われた。まず日本農芸化学会賞受賞者、長田裕之氏((独)理化学研究所・基幹研究所)による「微生物二次代謝産物に関するケミカルバイオロジー」と松本正吾氏((独)理化学研究所・基幹研究所)による「ガ類性フェロモン産生の分子機構に関する生物有機化学的研究」の講演が行われ、続いて日本農芸化学会功績賞受賞者、河村富士夫氏(立教大学理学部・生命理学部)による「枯草菌の遺伝・育種に関する先導的研究」と佐々武史氏(山形大学名誉教授)による「菌類の生理活性二次代謝産物に関する生物有機化学的研究」の講演が行われた。

最後に、農芸化学技術賞受賞者、ジュネジャ レカ ラジュ氏ほか4名(太陽化学(株))による「L-テアニンの工業的生産技術の確立と機能性食品としての研究開発」の講演が行われた。なお、本大会では日本農芸化学会奨励賞受賞講演(10演題)は28日(土)午前中大会シンポジウムとともに福岡国際会議場会議室にて行われた。


さらに、3月27日(金)午後には、アーキアを用いたゲノム科学研究において優れた研究を展開しているPatrick Forterre 博士(Institut Pasteur/Universite Paris-Sud, France)による「Comparative Genomics of Archaea and Eukarya: a goldmine for molecular biologists and evolutionists」(写真3)と、酵母における膜タンパクの細胞内輸送において永年研究をリードしてきたRandy Schekman 博士(HHMI/UC Berkeley, U.S.A.)による「Sorting signal and coat protein-dependent traffic of membrane proteins from the trans Golgi to the cell surface」が特別講演として行われた。両博士とも研究背景から最先端の研究成果まで解かり易く講演され、大会参加者にとって大変有意義な講演会であった。

写真3.Patrick Forterre博士による特別講演 福岡国際会議場3階メインホールにて
写真3.Patrick Forterre博士による特別講演 福岡国際会議場3階メインホールにて


3月27日(金)夕刻には、福岡国際会議場3階メインホールから2階多目的ホールに場所を移して懇親会が開催された(写真4)。懇親会参加登録者は564名で、当日参加申込者を含めると最終的な参加者は782名であった。会場には九州・沖縄各地の酒造会社からの寄贈による日本酒や焼酎が並べられ、多くの参加者が九州・沖縄の地酒や焼酎を堪能していた。

写真4.懇親会 福岡国際会議場多目的ホールにて
写真4.懇親会 福岡国際会議場多目的ホールにて


大会の一般講演は28日(土)と29日(日)の2日間、マリンメッセ福岡において全てポスター発表形式で行われた(写真5.6.)。両日とも1,300演題以上の発表であったため、ポスター列ごとにポスター番号を貼ってポスターを見付け易いようにしていた。また、ポスター発表は午後1時~2時と2時~3時のコアタイムを設けてシンポジウム開催時間と重ならないようした結果、各コアタイムには多くのポスターパネルの前で活発な討論が繰り広げられ盛況であった。

写真5.大会一般講演ポスター発表 マリンメッセ福岡にて

写真6.大会一般講演ポスター発表 マリンメッセ福岡にて
写真5.6.大会一般講演ポスター発表 マリンメッセ福岡にて

本大会シンポジウムは28日(土)と29日(日)の2日間、福岡国際会議場各会議室で開催された。シンポジウム33課題のうち、学術的な31課題は本学会員により提案された課題で、乳酸菌や酵母の先端研究や応用研究、環境バイオテクノロジー、フードケミカルバイオジー等、「基礎から応用まで」という農芸化学研究分野の特色をよく反映した課題であった。

また、本会本部・学術活動強化委員会主催の「小中高等学校における理科教育に関する農芸化学会からの提言」と本会JABEE対応委員会主催の「農芸化学分野の大学院における技術者、研究者養成教育の改革:現状分析と今後の展開」の2課題のシンポジウムは、両日の昼食時にランチョンシンポジウムとして福岡国際会議場会議室で行われた。学術活動強化委員会主催のランチョンシンポジウムでは、当日午後に予定されていた「ジュニア農芸化学会」参加予定の高校生や引率の先生方が出席され、最終討論では先生方より農芸化学会の理科教育に対する更なる貢献を強く要望する声が多く聞かれた。


本大会でも過去3回の大会で好評を博している高校生を対象にした「ジュニア農芸化学会」が28日の午後1時からマリンメッセ福岡で開催された(写真7)。本大会では、福岡県内16高等学校27演題に加えて九州の各県および中国、関西、関東からも参加があり、過去最高の総数34校、発表演題50題、参加高校生総数約210名であった。今回の「ジュニア農芸化学会」は大会の一般講演のポスター発表とともにマリンメッセ福岡で開催されたことから、高校生だけではなく大会参加者も高校生によるポスター発表に参加し、高校生との活発な質疑応答を行っていた。

写真7.ジュニア農芸化学会のポスター発表風景 マリンメッセ福岡にて
写真7.ジュニア農芸化学会のポスター発表風景 マリンメッセ福岡にて

本発表会では、30名の審査委員が各ポスター発表を厳正に審査し、最優秀賞1件と優秀賞4件(得点数同点のため3件から4件に変更)を選定、さらに参加高校生相互の投票によるベストポスター賞1件を選定した。また、本会では初めての試みとして、ジュニア農芸化学会ポスター発表場所横に「大学案内コーナー」を設置して、農芸化学関連の各大学(学部・専攻)のガイドブック等を掲示した。なお、ガイドブックの収集では、本学会各支部長にご支援・ご協力頂きました。

ジュニア農芸化学会終了後、福岡国際会議場に隣接するサンパレス福岡にて交流会が開催された。清水昌会長による挨拶と最優秀賞、優秀賞、ベストポスター賞の授賞式が行われ、高校生および引率教員、そして大会参加者との間で活発な情報交換が行われていた。


本大会2日目(28日)夕刻には、博多湾を一望できる福岡国際会議場最上階会議室と隣接ロビーでミキサーが開催された。約500人収容のスペースが満員になるほど盛況で、大学院生を中心にして情報交換の場として大変有意義な会であった。懇親会同様、多くの参加者が九州・沖縄各地の地酒や焼酎を堪能していた。

また、本大会でも28日(土)と29日(日)の昼食時に、企業による技術・製品の紹介セミナー・ランチョンセミナーを福岡国際会議場で開催した。昨今の不景気にも関わらず過去最高の16企業の参加を頂き、新規機能性食品の紹介から最新の分析機器・試薬の紹介、さらには特許に関する紹介等、興味深いセミナーが開催され、全ての会場が満員の盛況であった。一方、マリンメッセ福岡で開催された展示会では、出展企業数が例年に比べ少なく、114社、153件の展示であった。

また、本大会でも展示会場内に「バイオビジネスアピールエリア」が設けられ、学会に深く関わるバイオ企業の優れた技術、商品、情報の展示が行われた。出展企業数は減少したものの、一般講演発表とともにマリンメッセ福岡での開催であったことから、多くの参加者が展示会場に足を運び企業担当者には好評だった。また、例年同様展示会場の一角に、博多名物「博多通りもん」や「九州大吟醸」、さらには「九大グッズ」が当る抽選会場が設けられ、多くの人集りができていた。


最後に、本大会最終日の3月29日(日)夕方から翌日に掛けて、第17回「農芸化学Frontiersシンポジウム」が福岡市郊外で湖畔を見下ろす温泉施設「レイクサイドホテル久山」において開催された(写真8)。発表講演は毎日新聞・科学環境部記者・元村有希子氏による「科学とコミュニケーション」と4名の最新気鋭の若手研究者による講演で、参加者総数76名であった。

写真8.第17回農芸化学Frontiersシンポジウム 懇親会 レークサイドホテル久山にて
写真8.第17回農芸化学Frontiersシンポジウム 懇親会 レークサイドホテル久山にて

今回の大会は例年の大会よりも1日短かったことから、一般講演、大会シンポジウム等、全ての行事において過密なスケジュールとなりましたこと、また総合受付での「大会参加登録」と「懇親会参加登録」の混雑等、幾つかの点で不手際がありましたことをお詫びします。最後に、ご支援・ご協力を賜りました維持会員企業各社、ならびに参加者の皆様に感謝いたします。

2009年度大会総務
木村誠、佐藤匡央、角田佳充

Published by 学会事務局 on 11 5月 2009

日本農芸化学会2010年度大会シンポジウム課題募集について

日本農芸化学会2010年度大会実行委員会

日本農芸化学会2010年度大会は2010年(平成22年)3月27日(土)~30日(火)東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)を会場として開催される予定です。日本農芸化学会2010年度大会実行委員会では、3月30日午後にシンポジウムを予定しており、以下の要領でシンポジウムの課題を募集いたします。奮ってご応募下さい。ただし、応募者多数の場合は、実行委員会で選択あるいは調整させていただきます。

応募要領

応募期限 平成21年7月24日(金)
必要事項 1:課題名、2:世話人氏名・所属(通常2~3名)、3:趣旨(300字程度)
応募・問合せ先 「日本農芸化学会2010年度大会シンポジウム」 
責任者:清水 誠
E-mail:ams316@mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
※E-mailの件名に「農化2010大会シンポ応募」と明記してください。

※なお、2010年度日本農芸化学会大会実行委員会では以下のシンポジウムを本部主催のシンポジウムとして計画しています。公募シンポジウムを計画される方は、内容等の重なりにご配慮いただければ幸いです。

本部主催シンポジウム(予定)

A. 「アジアとの連携」シンポジウム
A-1. アジアでの微生物 cell-cell communication 研究の最前線

基礎のみでなく複合微生物系の制御など応用面でも重要な「微生物における低分子化合物を介した細胞間コミュニケーション」研究について、海外(アジア)の著名な研究者を含めた講演者より、最新の研究成果を紹介する。

世話人:大西康夫(東大)、野村暢彦(筑波大)
A-2. 食品成分による免疫・炎症反応の制御
(Health Food Society of Taiwan:台湾保健食品学会と連携)

我々の健康維持には免疫系の働きが大きく関わっている。プロバイオティクス、ポリフェノール類をはじめとする食品成分がその反応を制御しうることのエビデンスも蓄積されつつある。本シンポジウムでは、我が国及び台湾における最新の研究成果を紹介し、アジアにおける免疫機能食品の可能性について考える。

世話人:戸塚 護(東大)、龔 瑞林(国立台湾海洋大)
A-3. 不毛な土地での植物生産

世界には様々な環境要因により、植物生産が不可能な場所が数多くある。乾燥、栄養不良といった環境に耐える作物を開発することは今後の食糧確保の点から重要な課題であり、本シンポジウムではその課題解決に向けた基礎から応用に亘る研究を紹介する。

世話人:鈴木義人(東大)、藤原 徹(東大)
A-4. アジアの時間生物学研究:時を刻む分子機構から疾患・栄養との関わりまで

地上の生物の体や細胞の活動は、内在性の分子時計に依存するところが大きい。その複雑な分子機構の解明が進み、アジアの研究者も大きな貢献を果たしてきた。本シンポジウムでは、時計発振の機構やその調整、代謝や生活習慣病、精神活動などとの関わりについて最新の知見を交換し、時間軸を組み込んだ動物生命科学の発展に向けた協力体制を模索する。
世話人:加藤久典(東大)、傅正偉(中国)
A-5. かび、きのこの二次代謝産物

アジア地域のかび、きのこが生産する二次代謝産物に含まれる各種生物活性物質の単離、作用、生合成に関する最新の研究を紹介する。

世話人:河岸洋和(静大)、豊増知伸(山形大)、作田庄平(東大)
A-6. 環境にやさしいアジア-環境バイオテクノロジーにおけるアジアの連携
環境バイオテクノロジー学会、アジア環境バイオテクノロジー学会と連携)

世界の成長センターであるアジアにおいて、環境の緩衝能を超えないように持続的発展を図って行くことがグローバルな生存環境の維持に不可欠となってきている。環境分野での日本の貢献は、アジアにおけるわが国のプレゼンスを示す上でも重要であり、我々関連分野の研究者がどのようにアジアと連携を図っていくかはその成否を握る鍵とも言える。このシンポジウムでは、「環境」、「エネルギー」、「資源」などと「バイオテクノロジー」をキーワードに、アジアの環境バイオテクノロジー研究者間のネットワーク形成に資することを目的とする。

世話人:福田雅夫(長岡技大)、野尻秀昭(東大)
B. 「農学関連の他学会との連携」シンポジウム
B-1. 異分野融合による動物科学のカッティングエッジ
(社)日本獣医学会と連携)

異分野融合は新しい観点を与えるだけでなく、技術や成果の相互作用を促し、研究領域を飛躍的に発展させる可能性がある。本シンポジウムでは、獣医学分野との接点を探り、若手研究者の交流促進と連携の現在と未来について議論したい。行動学、内分泌学や免疫学などの分野における例を紹介し、異分野融合による動物科学の可能性と新しい潮流について考える。

世話人:千田和広(東大)、森 裕司(東大)
B-2. 水産動物における生理現象とその物質的基盤
(社)日本水産学会と連携)

水棲動物には多様な生活史を有しているものが多いが、その物質的基盤は不明の点が多い。水産学会では水棲動物の生理を研究している方は多いが、化学的な観点からの研究は少ない。一方、化学的な観点からは、水棲生物の毒や天然物化学の観点からの医薬資源の探索研究に特化しているように見える。農芸化学分野の研究者が水産生物の生理学研究者と協力すれば、興味ある新規の生物活性物質を探索・発見できる可能性がある。このシンポジウムでは、水棲動物のさまざまな現象およびそれに対応した物質の探索、構造、機能研究に焦点を当てる。

世話人:長澤寛道(東大)、岡野桂樹(秋田県大)、山野恵祐(養殖研)
B-3. カドミウム - 生物地球化学的循環と食の安全
(社)日本土壌肥料学会と連携)

重金属であるCdは、高濃度摂取すると健康被害が生じる可能性があり、玄米では現在その規制値が定められている。本シンポジウムでは、土壌中のCdの動態、植物への吸収と長距離輸送、ヒトにおける健康被害の発症機構について討論を行う。

世話人:吉村悦郎(東大)、妹尾啓史(東大)
B-4. 応用を目指した植物研究の交点
園芸学会と共催)

同じ植物を対象とした研究にもかかわらず、伝統的に農芸化学会では生理活性物質や栄養成分の機能解明を目的とし、園芸学会では農業上の課題解決を目的とする現象解明・応用型の研究が盛んである。現在両学会ともに伝統的基盤の上に最近の研究技術を適用することにより新しい成果を生み出しているが、農業技術の発展にはこれら成果をどのように応用していくかが今後の課題である。本シンポジウムでは、両学会のもつ伝統的な植物研究が蓄積してきた農業への応用の知恵について学び、互いの得意分野・技術・研究者の交流を促進し産業分野への応用展開を目指す、との観点から話題の提供を行う。

世話人:弦間 洋(筑波大)、浅見忠男(東大)
B-5. 昆虫科学研究の最前線 − 生態と化学 −
日本応用動物昆虫学会と連携)

昆虫科学研究は発育制御、化学受容など様々な研究分野で近年長足の進歩を遂げ、さらに生態学的な視点からの研究も進展している。そこで、日本応用動物昆虫学会と共催で「生態と化学」に関わる昆虫科学の最前線の研究を紹介する。

世話人:片岡宏誌(東大)、篠田徹郎(農業生物資源研)

Published by 学会事務局 on 19 8月 2008

過去の大会一覧

年度 会期 委員長 大会名 会場 一般講演 シンポジウム数
セッション数
参加者数
メイン・総会・懇親会 発表形式 題数
2011
H.23
3.25-
3.28
植田和光 京都 京都女子大学(口頭発表中止)
京都会館(総会等は5.6に延期 於東大農学部)
ウエスティン都ホテル京都(懇親会開催中止)
口頭 2,515 26
156
事前登録
4,183
2010
H.22
3.27-
3.30
長澤寛道 東京 東京大学本郷キャンパス
東京大学駒場キャンパス
京王プラザホテル
口頭 2,342 29
181
5,270
2009
H.21
3.27-
3.29
今泉勝巳 福岡 福岡国際会議場
マリンメッセ福岡
福岡国際会議場
ポスター 2,718 33
186
5,136
2008
H.20
3.26-
3.29
坂神洋次 名古屋 名城大学天白キャンパス
名城大学天白キャンパス
ウェスティンナゴヤキヤッスル
口頭 2,434 28
158
5,267
2007
H.19
3.24-
3.27
太田明徳 東京 東京農業大学世田谷キャンパス
東京農業大学百周年記念講堂
京王プラザホテル
口頭 2,323 16
102
5,183
2006
H.18
3.25-
3.28
大東 肇 京都 京都女子大学
京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホール
ウエスティン都ホテル京都
口頭 2,495 22
142
5,495
2005
H.17
3.28-
3.30
吉原照彦 札幌 札幌コンベンションセンター
札幌コンベンションセンター
ホテルロイトン札幌
ポスター 2,650 25
144
約4900
2004
H.16
3.28-
3.31
佐藤清隆 広島 広島大学東広島キャンパス
広島国際会議場フェニックスホール
リーガロイヤルホテル広島
口頭 2,462 19
129
5,071
2003
H.15
3.31-4.03 北原 武 東京 日本大学生物資源学部湘南キャンパス
パシフィコ横浜国際会議場会議センター
パンパシフィックホテル横浜
口頭 2,309 13
84
5,171
2002
H.14
3.24-3.27 神尾好是 仙台 東北学院大学泉キャンパス
宮城県民会館大ホール
ホテルメトロポリタン仙台
口頭 2,466 19
111
4,940
2001
H.13
3.24-3.27 岩村 俶 京都 立命館大学衣笠校舎
立命館大学衣笠校舎
都ホテル
口頭 2,320 16
100
5,094
2000
H.12
3.31-4.02 野口 忠 東京 東京ビッグサイト
東京ビッグサイト会議棟7階国際会議場
東京ビッグサイト会議棟
ポスター 2,349 7
40
 
1999
H.11
3.30-4.01 波多野昌二 福岡 福岡サンパレス
福岡サンパレス
ホテル日航福岡
ポスター 2,359 12
80
 
1998
H.10
3.31-4.03 塚越規弘 名古屋 名城大学
愛知芸術文化センター
名古屋東急ホテル
口頭 2,228 16
94
 
1997
H.9
3.31-4.04 荒井綜一 東京 東京農業大学
大妻女子大学千代田キャンパス・大妻講堂
帝国ホテル
口頭 2,086 15
92
 
1996
H.8
3.30-4.02 駒野 徹 京都 京都女子大学
国立京都国際会館大ホール
都ホテル
口頭 1,921 16
95
 


 

Published by 学会事務局 on 14 8月 2008

2008年度大会を顧みて

日本農芸化学会2008年度大会が、本年3月26日(水)から29日(土)までの4日間、名城大学天白キャンパスにおいて開催された。名古屋での開催は10年ぶりとなる。名古屋駅周辺は再開発により大きく変貌を遂げ、会場となった名城大学も10年前とはすっかり様変わりした。大学のシンボルとも言えるタワー75や大人数を収容できる講義棟2棟が建設され、全ての講義室に高機能のAV機器が配備されていた。美観、利便性いずれについても申し分のない会場で、大会実行委員会として名城大学に感謝したい。大会は例年通り盛況で、参加者総数5,267名(東京で開催された2007年度大会は5,183名)、一般講演数2,434件(前回2,323件)であった。

大会初日3月26日(水)の午前中は名城大学名城ホールにおいて総会が開催され、引き続いて2008年度の学会賞(2件)、功績賞(2件)、技術賞(2件)、奨励賞(10件)の授賞式、B.B.B.論文賞(10件)とMost-Cited Paper Award(1件)の表彰式、第5回農芸化学研究企画賞(2件)の授賞式が行なわれた。また、本会推薦の工藤俊章氏(長崎大学水産学部)が日本農学賞を受賞したことが報告された。

名古屋城

午後には、日本農芸化学会賞受賞者の浅野泰久氏(富山県立大学工学部生物工学科)による「新しい酵素機能の開拓と産業利用に関する研究」と田之倉優氏(東京大学大学院農学生命科学研究科)による「産業利用を目指したタンパク質構造解析」、日本農芸化学会功績賞受賞者の河合富佐子氏(岡山大学資源生物科学研究所)による「微生物による合成高分子の分解・代謝に関する生化学的・分子生物学的研究」および清水誠氏(東京大学大学院農学生命科学研究科)による「食品機能分子と腸管系の相互作用の解析」の講演が行われた。

続いて、農芸化学技術賞受賞者の秋元健吾氏ほか3氏(サントリー(株))による「胡麻に含まれるセサミンの機能解明と健康食品の開発」および采女英樹氏ほか3氏(住友化学(株))による「新規ネオニコチノイド系殺虫剤クロチアニジンの開発」の講演が行なわれ、その後、農芸化学奨励賞を受賞した若手研究者10名による講演が行なわれた。

夕刻には、会場をウェスティンナゴヤキャッスルに移して懇親会が開催された。懇親会参加登録者は506名で、当日参加者を含めると全参加者は691名に達した。

授賞式

大会の講演はすべて名城大学天白キャンパスで行われた。今大会の一般講演(2434題、発表9分、質疑3分)は書画カメラ(OHC)を使用することとなった。初めての試みであったが、AV機器の専門家に常駐してもらうなど名城大学のご配慮もあり、大過なく終えることができた。時代の流れでOHCを使用する機会は多くなると思われるので、今大会は良い参考となるのではないだろうか。多くの会場が盛況であったが、講義室の収容人数が大きいため、一部の極めて人気の高い会場を除いて入場できないようなことはなかった。前大会に引き続き、各会場の収容人員に対する混雑度を集計したので、次回以降の大会実行委員会の役に立てば幸いである。

一般講演会場風景

27日の夕刻には学内のレストラン「名城食堂」で若手研究者のためのミキサーが開催された。今大会ではこのミキサーに力を入れたが、当初の予想をはるかに超えて300人ほどの収容定員がすぐに満員になった。もし飲物、食物が十分でなかったらこの場でお詫びしたい。

シンポジウム会場風景

シンポジウムは大きな講義室が数多く確保できたため28テーマの開催となった。そのうち、社会性の高い科研費、JABEE、生物遺伝資源に関する3テーマは一般講演と並行して3月27、28日(木、金)に行った。大会初めての試みとしてランチョンシンポジウムとして行なったが、チケットが早々になくなるなど非常に盛況であった。学術的なもの25テーマは最終日の3月29日午前中に一括して行った。農芸化学らしく多分野に渡るテーマで開催されたため、最終日に会場を訪れた人数もかなり多かったのではないかと思っている。どの会場も盛況であったが、中でも、バイオマス関連のシンポジウムは入りきれないほどの人気であった。

ジュニア農芸化学会会場風景

一昨年に初めて開催され東京大会に引き継がれた高校生による研究発表会「ジュニア農芸化学会」は27日に開催された。展示会場の一角でのポスター発表であり、多くの学会参加者にご覧頂けたと思う。今回は、愛知からの10校19演題に加えて東京から沖縄まで総数20校34演題と、予想を超えた参加で大盛会であった。終了後は眺望の良いタワー75最上階のレセプションホールに場所を移し、表彰式と懇親会を行なった。今大会では最優秀賞1件、優秀賞3件、アイデア賞5件を選考し、また、すべての発表に対し参加賞を授与した。また、中部支部維持会員企業のご協力を頂いて、景品も授与した。

名城大学タワー75

展示会出展数は121社(団体)(内「バイオビジネスアピールエリア」5団体)であった。会場の一角で名城大グッズや名大グッズが当たる抽選会を行なった。また、ランチョンセミナーの参加企業は11社であった。

大会実行委員長

今大会では大会始めての試みとして就職懇談会を開催した。参加企業各社にはそれぞれ小会議室を準備し、内容については自由に企画して頂いた。会社説明、質疑応答、面談などが主であった。開催時期の点で多少気がかりであったが、10社にご参加頂き、参加企業の皆様には概ねご好評を頂いた。次年度以降の開催を望む声も多く聞かれた。

懇親会鏡割

今回の大会は会期を通して好天に恵まれ、花冷えの日もあったものの、桜もちょうど見ごろを迎えるなど実行委員会側としても恵まれた大会であった。最後にご支援・ご協力を賜わりました名城大学の皆様、維持会員企業各社、ならびに参加者の皆様に感謝いたします。

2008年度大会総務
小林哲夫、田村廣人、船隈透、加藤雅士、近藤竜彦、金丸京子

Published by 学会事務局 on 14 8月 2008

2007年度大会を顧みて

日本農芸化学会2007年度大会は、本年3月24日(土)から27日(火)までの4日間、東京農業大学世田谷キャンパスにおいて開催された。大会参加者総数は5,183名(前回京都で開催された2006年度大会は5,495名)で、一般講演数2,323件(前回2,495件)であった。

大会初日の3月24日(土)は東京農業大学百周年記念講堂において総会が開かれた。磯貝彰新会長は、本学会が基礎から応用に至る研究をベースに学術や産業に貢献してきた歴史を踏まえ、今後は益々社会的責任ということが強く求められ、一般の方々の科学力強化にも学会として一定の役割を果たすことが重要、と挨拶された。2006年度事業の会務報告、決算に対する監査報告の後、新役員、評議員等の承認、細則の変更、2007年度事業計画と予算案が議題として提出され、審議を経て原案通り承認された。最後に、遠藤章氏(東京農工大学名誉教授、2006年度日本国際賞受賞)の長年の功労に対して名誉会員証が贈呈された。

総会に引き続いて、2007年度の学会賞(2件)、功績賞(2件)、技術賞(2件)、奨励賞(10件)、の授賞式、B.B.B.論文賞(10件)とMost-Cited Paper Award(1件)の表彰式、第4回農芸化学研究企画賞(3件)の表彰式が行なわれた。午後には、各賞の受賞者講演が行われた。まず日本農芸化学会賞受賞者、阿部啓子氏(東京大学大学院農学生命科学研究科)による「味覚に関する分子生物学的・食品科学的研究」と村田幸作氏(京都大学大学院農学研究科)による「微生物「超チャネル」に関する分子生物学的・構造生物学的研究」の講演が行なわれ、それに引き続き日本農芸化学会功績賞の地神芳文氏(産業技術総合研究所・セルエンジニアリング研究部門)による「酵母の糖鎖生物学および糖鎖工学に関する研究」および藤田泰太郎氏(福山大学生命工学部)による「枯草菌代謝ネットワークのカタボライト制御の分子機作」の講演がなされた。農芸化学技術賞の講演は大島芳文氏ほか3氏((株)ミツカンおよび鈴峯女子短大)による「食酢の健康機能とおいしさの解明に基づく新飲用黒酢の開発」と三原康博氏ほか2氏(味の素(株))による「核酸系うま味調味料新製法の開発と工業化」が行なわれ、その後、農芸化学奨励賞の若手研究者10名による講演が行なわれた。

懇親会は会場を京王プラザホテルに移して開催された。懇親会参加登録者は467名で、当日参加申し込み者を含めると最終的な参加者は677名に達した。

懇親会風景

大会の講演はすべて東京農業大学世田谷キャンパスで行われた。一般講演2323題はOHP(発表9分、質疑3分)で行われ、活発な討論が繰り広げられた。いずれの会場も盛況であったが、今大会の新たな取り組みの一つとして、各会場の収容人員に対する混雑度を集計した。どのようなテーマに対しどの程度の聴衆が集まるかを把握出来る資料として、次回大会実行委員会の会場設定やプログラム編成に役立つものと期待している。

大会風景(看板)

シンポジウム16課題のうち、学術的なもの13課題は最終日に一括して行い、社会性のあるJABEE、産官学連携および女性研究者フォーラムの3課題は、一般講演と並行して3月25日(日)に行った。その後のミキサーで引き続きディスカッションを深めていただいた。3月27日午前中をすべてシンポジウムに充てたが、農芸化学の特長を活かし、また分野横断的な挑戦的テーマに対して多くの興味深い発表がなされ、基礎から応用まで新しいシーズの誕生を予感させる有意義なシンポジウムで、どの会場も盛況であった。

学内のレストラン「すずしろ」で25日に開かれたミキサーは300人ほどの収容定員が一杯になるほど非常に盛況であった。東京農大醸造科学科OBの蔵元からの寄贈による日本酒に多くの参加者が堪能した。

写真3. ジュニア農芸化学会

昨年度、本学会としては初の試みとして高校生による研究発表会を行ったが、今年度も引き続き「ジュニア農芸化学会」と称して開催した。展示会場となった桜丘アリーナの中3階を利用してポスター発表を行ったが、東京から7校8題、近辺の埼玉、栃木から2校3題、さらに新潟の他、遠く岡山、九州からの参加もあり、都合16題の高校生発表があった。また中学校からの参加希望が2校あり、特別編として同時に行った。多くの学会参加者からかなり専門的な質問やアドバイスがあり、討論が白熱して終了時刻を大幅に過ぎてしまうほどであった。高校生同士が互いのポスターを見る時間を1時間設けたが、これが好評だった。また今大会ではすべての発表に対し「ジュニア農芸化学会奨励賞」(高校)および「ジュニア農芸化学会努力賞」(中学)を授与した。終了後は東京農業大学「食と農」の博物館にて懇親会が催されたが、発表者同士の交流が活発に行われるなど大変盛会であった。なお、同発表会場では、26日にB.B.B.論文賞とMost-Cited Paper Awardのポスター発表が行われ、こちらも盛況であった。

展示会場

展示会出展数は136社(団体)に上り、景気の回復を反映してか増加傾向にあると言える。また、今大会では展示会場内に「バイオビジネスアピールエリア」を設け、農芸化学技術賞受賞2件の展示の他、学会に深く関わるバイオ企業の優れた技術、商品、情報をアピールする展示を行った。総計11の企業・団体が参加し、こちらも好評であった。一角に純米吟醸酒やチーズケーキ等の農大グッズが当たる抽選会もあり会場を盛り上げるのに一役買った。同様にランチョンセミナーの参加企業が13社と出席者数共々過去最高を記録した。その一方で、前身である「新技術・新製品セミナー」の頃と比較し、研究に関わる技術・製品の紹介から会社の商品開発の成果発表会という性格が一部で強調され始めて来ている。

前大会から導入したスケジューラー機能は、二千数百題に及ぶ講演から個人の興味ある講演をチェックするとマイスケジュールを簡単に作成出来、引き続き好評であった。

ランチョンセミナー

大会最終日の3月27日午後には、日本農芸化学会主催第33回化学と生物シンポジウム「農芸化学と学校教育・社会教育」が東京農業大学百周年記念講堂で開催された。農芸化学が生活や産業に密接に関係した学問分野であるのに対し、一方で高校までの教育の中ではそのことがほとんど認識されていない。農芸化学の理科教育に対する貢献の可能性を探るため、高校側、大学側の双方から現状報告と実践例が報告された。150名近い参加者が熱気のある討論を繰り広げ、教育の場における農芸化学の意義を考える良い機会になった。

今回の大会は一般講演初日にわずかに雨が降られたが、その他は過ごしやすい天候に恵まれ、桜もちょうど開花し始めるなど桜丘の名に相応しい大会になった。一般講演、シンポジウム、ランチョンセミナー、受賞ポスター、ジュニア農芸化学会、展示会場いずれも連日満員で、活発な討論や交流が行われた。要旨集表紙に使わせて頂いた農大通り商店会のモニュメントのようにハートフルな大会になった。最後にご支援・ご協力を賜わりました関係者ならびに参加者の皆様に感謝いたします。

2007年度大会総務
吉川博文、渡邉秀典、堀内裕之、千葉櫻拓、大西康夫、石神健

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