概要

施設名 (大阪)大阪学芸中等教育学校
日時 2016年3月15日(火)
場所 大阪学芸中等教育学校(大阪市住吉区長居1-5-8)
授業の名称 「今話題の『腸内フローラ』って? ~ヒトが共に生きる道を選んだ‘ビフィズス菌’~」
講師 片山 高嶺 氏(京都大学大学院生命科学研究科教授)
担当教員 良本 完爾
聴講者 中学3年生~高校2年生 40名
報告 今回は講義では、大きく分けて次の5点の話がありました。

1.大学の研究室の研究生活
2.腸内細菌の歴史・研究
3.糖の構造と酵素
4.ビフィズス菌と母乳オリゴ糖
5.盗用・捏造・改ざんはダメ!

1では、理系の学生が進学してからの大まかな流れを説明していただきました。先生がおっしゃっていた、研究者の心得としての「Publish or Punish(論文を発表しなければ、研究者として終わり)」のお話が印象的でした。

2では、最新の腸内細菌が関係する病気の治療法として、健康な人の便からとれる腸内細菌を病気の人の腸に移植する「糞便移植」がアメリカで始まっているという話がありました。また、腸内細菌のいるマウスと、無菌状態のマウスとでは、その行動に差があることがわかっていると知りました(実際に動画を見比べさせてもらいました)。

3,4では、糖の構造や酵素の特異性について教えてもらったのち、片山先生が現在研究をしているビフィズス菌について大学講義なみの説明をしていただきました。先生は、現在使用されている人工乳を、より母乳に近づけさせ、かつそれを安価に販売するために研究を重ねているそうです。

今回は専門的な話だったので、参加した生徒達には少し難しかったようですが、「腸内細菌について知る良い機会になった」「これからも頑張って学ぼうと思った」などといった前向きな感想が多く見られました。

 

参加された生徒さんの感想

  • 「ビフィズス菌」という言葉に興味があって参加しました。ビフィズス菌は酢酸を産生していることを知り、また新しい知識を得ることができて嬉しいです。少し話が難しかったですが、分かるところもありました。
  • 今までよくわからなかった腸内細菌について聞けて良かったです。今まで生物で習った単語や人名が出てきて、ちょっと嬉しかったです。これからも頑張って学ぼうと思いました。また、細菌について話すには、化学の知識も必要かなと思いました。これからも頑張りたいです。
  • 今習っている化学基礎では分からない内容でしたが、腸内の大腸菌の力は色々な物にも活用できるのだということが分かりました。
  • ネズミに菌があるかないかだけで、同じ遺伝子なのに行動に変化があって興味深く感じました。ビフィズス菌と母乳オリゴ糖の話では、薬にもビフィズス菌を入れていたり、母乳オリゴ糖でビフィズス菌を作ったりと、不思議なことがたくさんありました。ほとんど聞いたことのない話で理解しにくかったですが、今まで生物で習った人物や菌も出てきたので、もっと深く知りたくなりました。
  • 電気泳動の話は、3/11にあったRYSで実験を行ったので、話がスムーズにわかって良かったです。