概要

日時 2014年6月12日(木)~6月27日(金)
場所 三越劇場
対象 岩手県立沼宮内高等学校、福島県立小野高等学校、福島県立郡山高等学校、福島県立新地高等学校、福島県立富岡高等学校 生徒・教員合計54名
タイトル 「先生のオリザニン」 (PDF)
協賛 日本農芸化学会、静岡県牧之原市
内容 ノーベル賞も夢ではなかったといわれる鈴木梅太郎は農芸化学者として、当時の日本の主要な輸出産業であった絹織物に必要なカイコを育てる桑の木の萎縮病に取り組み原因を発見し、粉ミルク・パトローゲンを幼児の為に開発して子供の成長に多大な成果を上げた。その研究成果は常に庶民の為であった。資産の大半を後進の育成の為に使ったといわれる梅太郎はなぜ農芸化学の道に進んだのか――。
明治・大正・昭和の時代を日本人の為に生き抜いた鈴木梅太郎の半生を博士と同郷の加藤剛と、加藤頼の親子共演で舞台化。
江戸時代から「江戸煩い」として、また明治時代も多くの人々を苦しめ、日清・日露戦争では戦死者のほかに多くの死者を出した脚気――この脚気をドイツ留学から戻った鈴木梅太郎は栄養の不足が原因とみて米糠から新しい栄養素「オリザニン(現在のビタミンB1)」を世界で最初に発見する。
1910(明治43)年東京化学会例会会場で発表するが、脚気を細菌や伝染病によるものと考えていた森林太郎はじめ当時の医学界から罵倒され無視される。傷つく梅太郎を励ましたのは辰野金吾の娘である妻の須磨子であり、心の支えになったのは大学の恩師・古在由直だったが…

観劇後の生徒さんたちの率直な感想と観劇風景

◎岩手県立沼宮内高等学校の皆さん

  • ビタミンを発見したのが外国人ではなく日本人の鈴木梅太郎先生ということも初めて知りました。
  • 最初は動物を使った実験で白米だけを与えて様子を見るという者でしたが、ハトとネズミを使っていましたがネズミのことをラットと言わないでラッテと言っていたのは疑問に思いました。
  • 鈴木梅太郎先生が真っ直ぐな人ということがよくわかりました。
  • 全体的には難しい単語が多かったけれど、鈴木梅太郎さんが現在のビタミンB1であるオリザニンを世界で最初に発見した偉大な人だと知ることが出来ました。
  • みなさん一つ一つのセリフの重さ、感情の入れ方から私は最後まで劇を楽しめました。
  • 医学界から批判され、罵倒されるもめげないで、意志を持っていることすごいと思いました。

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◎福島県立小野高等学校の皆さん

  • 忍耐と努力、そして友情の大切さを改めて実感しました。
  • 気持ちを抑えて発声する場面でも、会場全体にしっかりと伝わっていることに感動しました。
  • 心に残っている場面はたくさんありますが、中でも鈴木梅太郎がオリザニンを発見して医学界の人たちから罵倒されてしまう所は涙が出ました。その後、オリザニンが認められ研究員の方に恩師の古在由直と同じ事を言っているのを聞いて、とても嬉しく思いました。
  • 本当は、梅太郎さんが世界で最初に栄養素オリザニンを見つけたのに、医学界から無視されていたのかよくわかりませんでした。なんだかそれを見て梅太郎さんがかわいそうでした。
  • 私も自分の意志で道を切り開くような人間になりたいと思いました。

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◎福島県立郡山高等学校の皆さん

  • 今まで何気なく見ていたビタミンの表記は、先人達のものすごい努力でなされていたことだというのを実感しました。
  • オリザニンと名づけ学会で発表したときに、医学の人から反発されたことや娘さんの死など、決して楽な人生ではなかったのだなと思いました。
  • 恩師の左遷、オリザニン発表に対する批判、娘の死など悲しみや怒りだけでは言い表せないような事ばかり起こる中で生きているこの人は、とても尊敬できる人と思いました。
  • 世界で初めてビタミンを発見した科学者の話と聞いて、最初は科学的な知識が多いガチガチしたものを想像していましたが、いざ鑑賞してみると、想像していたものとは違って、明治から大正にかけて、富国強兵、足尾銅山鉱毒事件、米騒動と当時起きたことを踏まえて、梅太郎先生の生き様を描いた素晴らしい人間ドラマでした。
  • オリザニンの発見や米を使わない酒の作成など、多くの結果を残したが、戦争が激化し、日本のこれからを心配している姿や、娘を失い、悲しむ演技にとても感動した。
  • 鈴木梅太郎や田中正造、足尾銅山鉱毒事件は名前は聞いたことがあるけれどもそれが具体的にどのような人物、どのような事件であるかについては深く知らなかったので、それを知る良い機会となった。また、梅太郎の周辺の人々の心情が、歴史的な大発見に通じたことから、科学と人の心との意外な関係性についても学ぶことが出来た。
  • この劇では、科学者としての梅太郎と1人の人間としての梅太郎の両面を見ることが出来た。国民のために献身するという科学者の鑑である梅太郎を演じる加藤さんの迫真の演技には感動した。

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◎福島県立新地高等学校の皆さん

  • オリザニンがどのように発見できたか、そして鈴木梅太郎はどのようなき方であったのかが表現されていて、楽しく、分かりやすく鑑賞することが出来ました。
  • この演劇を通して、努力すること、諦めないこと、続けること、仲間を大事にすること、コミュニケーションの大切さを改めて痛感することが出来ました。
  • 周囲の人たちからはオリザニンについて認められずに罵倒されましたが、それでも彼は、オリザニンを諦めずにオリザニンについて研究し、抽出するまでに至りました。これらの情景から、認められず罵倒されたにも関わらず、腹を立てず冷静に対応したことが大変凄いと思い、とても器の大きい人だと思いました。
  • オリザニンがいつ発見されたのか、いつ有効性が確認されたのかなどは全く考えていなかったのですが、観劇することで、この頃に発見、有効活用されたことを知ることができたのは感激しました。

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◎福島県立富岡高等学校の皆さん

  • 梅太郎は誰に批判されても無視されても罵倒されても諦めることを、諦めたかのように研究し続け私はその肝っ魂と風柄に胸がうたれました。
  • この作品からは鈴木梅太郎が自分の意思をしっかりと持ち、また、人の為に尽くす、そんな人物であったことが分かりました。
  • 舞台の中で、一番印象に残っているところは、梅太郎さんたちが、何度失敗しても諦めずまわりにどんなことを言われてもチャレンジを惜しまないところです。それを見てわたしは、梅太郎さん達の頑張りや努力を感じました。
  • 劇を見ていて、くじけずに強く真っ直ぐにどんなことでも頑張っている先生を見ていて自分もこんな風に芯の強い人間になりたいと思いました。
  • 梅太郎さんはオリザニンというとても素晴らしい発見をしたにもかかわらず、医学界にもなかなか受け入れてもらえず、当時では確かめることが難しい物質であることが見ていてわかりました。
  • 観劇を通して一番心に残った場面は、梅太郎先生が研究の成果を人々に非難されたとしても、病気で苦しむ人々のために、強い信念をもって、決してあきらめることなく、研究し続けたところです。梅太郎先生のこのような生き方はとても素晴らしく、尊敬したいと思いました。
  • 「脚気」の原因を究明するために、自分の為ではなく、人の命を救いたいという思いから、自分の信念を曲げることなく、納得のいくまで実験・研究を行い、あきらめずに最後までやり遂げる姿を見て、とても感銘を受けました。
  • 梅太郎先生は自分の為ではなく、人の為に強い信念を持ってチャレンジする姿勢を見て、私も、これからは何事に対しても前向きにチャレンジしていきたいと思いました。
  • 「オリザニン」は現在のビタミンB1ですが本当であったら「ビタミン」ではなく「オリザニン」という名前がついていたかもしれないとおもうと、とても不思議な気持ちで一杯です。
  • 東京化学会例会で発表して医学界から罵倒され無視されたのにそれでも研究をつづけた梅太郎先生は、強い人だと思いました。
  • 「脚気」で苦しんでいる人の為に最後まで諦めずに、誰もが細菌や伝染病と疑わなかったこの時代に、自分の信念を曲げず、原因を突き止めるまで、努力する姿に感銘しました。
  • 今では「ビタミンB1」を摂取することによって脚気予防につながることは、誰もが知っていることですが、当時は認識されるまでに、多くの困難があったことを知りました。
  • 梅太郎先生の人命の為に自分の人生を研究につい癒し、そして、誰が何といおうとも、あきらめることなく、自分の信念を貫く姿勢に感銘をうけました。