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9章 遺伝子組換え

3.DNA断片のクローニングの例
【解説】
 DNA断片のクローニングの流れを示します。
(1)供与体のDNAを、例えば“Sau3AI”という制限酵素で不完全に分解する
(完全に分解すると遺伝子の大きさより小さい断片になってしまう)。
(2)両側にGATCという出っ張りを持つゲノムDNA断片が多数生じる。
ゲノムと独立に複製できる環状2重鎖のDNAをプラスミドと言いますが、
(3) ベクター(乗り物)となるプラスミドを“BamHI”という制限酵素で切断すると
(4) やはり両末端にGATCという出っ張りを持つ線状DNAとなる。
(5) (2)と(4)のDNAを混ぜると、末端のGATC同士は対合しやすく、こういう末端同士をDNAリガーゼでつなぐ。

 実際には、供与体のDNAが入らないままベクターDNAがもとのプラスミドの形に戻ったものなど、望む以外の分子もたくさんできるので、外来DNAが入ったプラスミドだけを拾えるような工夫がされています。

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