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4章 核酸

5.遺伝情報
【解説】
 遺伝情報とは、親から子に伝えられるいろいろな性質を決める情報のことで、遺伝子DNAの塩基の配列の中に書き込まれています。DNAの塩基配列に従ってmRNAが合成され(転写といいます)、mRNAの塩基配列に対応するtRNAにより運ばれたアミノ酸が順次結合し、タンパク質が合成されます(翻訳といいます)。
 転写の過程では、DNAとRNAの間で働く特異的な塩基対形成(AとU、GとCが対形成)に従って遺伝情報を写し取ったmRNAが合成されます。一方、翻訳の過程では、mRNAの塩基配列とアミノ酸を対応づける仕組みが必要となります。具体的には、mRNAのある指定された箇所から始まる3つの塩基の組をトリプレット・コドン(またはコドン)といい、各コドンが特定のアミノ酸に対応しています。3塩基からなる64種類(=4×4×4)のコドンが20種類のアミノ酸を指定しています。いくつかの異なったコドンが1つのアミノ酸に対応する現象を遺伝暗号の縮重といいます。トリプレット・コドンはあらゆる生物に共通です。

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