日本農芸化学会2010年度大会開催にあたって

長澤寛道

2010年度大会実行委員長 長澤寛道

日本農芸化学2010年度大会を開催するに当たり、一言ご挨拶申し上げます。

今回は1994年度大会以来、久しぶりに東京大学で大会を開催することになりました。3年前の東京大会の直後に委員長のご指名があり、早速会場のことを考えました。

関東支部は10年で3回担当することになっていますが、前回は東京農業大学、前々回は日本大学生物資源科学部のキャンパスをお借りしましたので、今回は他の私立大学等の可能性も検討しましたが、最後に残ったのが東京大学です。

会期は、3月27日(土)~30日(火)の4日間、初日の27日に、本郷の安田講堂で総会、各種授賞式、受賞者講演を、懇親会は場所を移動して新宿の京王プラザホテルで開催します。28日から30日まで3日間は、駒場の教養学部キャンパスで一般講演シンポジウム展示会ランチョンセミナージュニア農芸化学会、ミキサー等を行います。

また、26日の午後から27日の午前にかけてフロンティアシンポジウム東京大学検見川総合運動場で開催します。1994年度大会は、総会は大妻講堂で開催しましたので、総会を含めてすべてを東京大学で開催するのは、1960年以来になります。

昨年度の九州大会での個人発表はポスター形式で行われましたが、今回は口頭発表に戻ります。たとえ短時間の発表であっても緊張感を持って濃縮した成果発表ができる場を設けることが若い学生・院生諸君にとって必要だと考えたからです。

駒場キャンパスの欠点は借用できる教室の数が充分でなく、そのために最近は2日間で一般講演が終わっていましたが、今回は最終日3日目の午前中までを一般講演に当て、最終日の午後をシンポジウムに当てざるを得ませんでした。また、このような事情でせっかく応募いただいたシンポジウムの一部についてはお断りせざるを得なかったことをお詫び申し上げます。

例年と大会のメニューはほとんど変わりませんが、今回の趣向として大会実行委員会主催の11件のシンポジウムを企画しました。「連携」という大きなテーマのもとに、アジアとの連携シンポジウムを6件、農学の他分野の学会との共催シンポジウムを5件企画しました。

アジアとの連携では、農芸化学会の大きな6つの分野(微生物、食品、天然物、動物、植物、環境)で1件ずつ、各シンポジウムに2名ずつのアジアからの演者の先生を招待し、日本人の講演を含めて英語で行います。

また、農学との連携では、日本獣医学会日本土壌肥料学会日本水産学会園芸学会日本応用動物昆虫学会の5つの学会との共催シンポジウムを企画しました。普段の農芸化学会大会では聞けない内容の講演が聞けるものと期待しています。是非、多くの皆様のご参加をお願い致します。これらを通して、本学会の国際化、農学の他分野との連携が拡がっていけば幸いです。

最後に、本大会を開催するに当たって、多くの企業・団体からのご寄付、展示、ランチョンセミナー、広告掲載などご支援いただきましたことに対し、心から感謝申し上げます。大会を通して、新しい情報を得、新しい情報を発信し、新しい仲間を作り、共に大いに議論し、旧交を温め、有意義な4日間を過ごしていただきますようお願い申し上げます。