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5章 物質の代謝

2.糖の代謝
【解説】
 グルコースは細胞内に取り込まれるとリン酸化され、グルコース6リン酸になります。ここから、グルコースは、3つの異なった運命をたどることになります。十分エネルギーがある状態では、同化され多糖類(グリコーゲンやデンプン)となります。一方、エネルギーが不足している場合は、異化反応、すなわち解糖系あるいはペントースリン酸経路を経て分解されることになります。
 解糖系はエネルギー源であるATPを用いてグリセルアルデヒド3リン酸までをつくる準備段階と、その後、ATP とNADH(電子伝達系でエネルギーに変換されます)を生成しながらピルビン酸にまで分解されるエネルギー獲得段階に大きく分けることができます。これらの化学反応は、それぞれ異なる酵素により触媒されており、これらの酵素の活性は、基質やホルモンなどに緻密に制御されています。
 また、酵母菌や乳酸菌のように、酸素がなくてもグルコースなどを分解してエネルギーを生産できる、すなわち嫌気呼吸ができる微生物がいます。特に、これらの微生物によって、人間にとって有益な物質、たとえば乳酸、アルコール、酢酸などをつくる現象を「発酵」と呼んでいます。
 クエン酸回路は、好気的な異化反応で、ミトコンドリアのマトリクスで起こります。まず、解糖系で生成したピルビン酸はアセチルCoAとCO2に酸化されます。この際、NADHが生成し、後述する電子伝達系へ電子を与えることになります。一方、CoAに結合したアセチル基は、オキザロ酢酸と結合して、クエン酸となります。さらにクエン酸は、脱水素反応や脱炭酸反応、水付加などを受けながら、オキザロ酢酸となります。この際に、CoAを介してこの回路に導入されたアセチル基は、CO2となると同時に、GTP(ATP)、および電子伝達系へ電子を運搬するNADH、FADH2 を生成します。

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