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8章 動物の生活環

1.細胞増殖・細胞分化
【解説】
●細胞増殖
 動物細胞の増殖は、「セルサイクル」と呼ばれる一連の秩序だった反応により遂行されています。セルサイクルは、遺伝子を正確に複製するS期(DNA合成期)、複製した遺伝情報を正確に二分割するM期(細胞分裂期)、およびそれらの準備期であるG1期、G2期から成り立っています。形態変化に富んだM期に対してG1期、S期、G2期は形態変化に乏しいため、まとめて「間期」と呼ばれます。すべての細胞はこの一連のサイクルにより増殖し、分化因子などの刺激によりそれぞれ特殊な機能をもった細胞へと分かれていきます。

●細胞分化
 動物個体を形作る細胞はすべて単一ではなく、肝臓ならば肝臓の機能を発揮するために、他の臓器とは異なる特徴をもっています。さまざまな異なる機能を持つ細胞はすべて1つの受精卵が分裂し、特定の機能をもつように変化したものであり、この変化を「細胞分化」といいます。 最近ではES細胞(あらゆる細胞へと分化する能力「全能性」をもつ)や神経細胞や血球細胞などの、特定の細胞系に分化する能力をもった幹細胞を用いた再生医療の実用化への試みが盛んに行われています。

【用語説明】
ES細胞
 胚性幹細胞(Emboryonic Stem Cell)。受精後1週間程度の初期胚(卵割した受精卵)から作製する。

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