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10章 お酒の製造法

3.焼酎の原料と微生物
【解説】
 焼酎は、穀類・芋類などの糖質材料と水を主原料とする蒸留酒です。ワイン、ビールや日本酒などの醸造酒とは異なり、アルコール度数が高くエキスが少ないのが蒸留酒の特徴です。糖質材料の種類は多様であり、米、甘藷、麦、蕎麦、トウモロコシ、黒糖などがよく使われます。焼酎の製造に関わる微生物は、糖質材料を糖化する麹カビ(黒麹菌:Aspergillus awamori、泡盛に使用。白麹菌:Aspergillus kawachii)とその糖をアルコール発酵する酵母(Saccharomyces cerevisiae)です。焼酎は、酒税法上、蒸留方法の違いにより甲類と乙類に分類されます。
 焼酎の製造は、原料処理工程、製麹工程、発酵(仕込)工程、蒸留工程、および熟成工程から成ります。穀類・芋類などの糖質材料を洗浄、浸漬、水切り、および蒸しを行います。材料のデンプンなどの多糖を糖化するため麹カビを繁殖させ、麹をつくります。麹に水と酵母を加え、アルコール発酵を行います(一次発酵)。さらに、材料と水を加えアルコール発酵を促進させます(二次発酵)。泡盛は一次発酵だけです。発酵を終えたもろみを蒸留することにより、焼酎原酒ができます。その後、貯蔵熟成と調合を経て製品として出荷されます。

【用語説明】
蒸留
 水は沸騰せず、アルコールが沸騰する温度(85゜C)で、アルコールを蒸気として回収すること。蒸留後冷却することにより、液状アルコールに変換します。

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