農芸化学という学問の特徴は、化学や生物をはじめ物理を基盤に、微生物から植物、動物まで広範な生物種を対象とし、分子、細胞から個体に至るまでを扱う学問という点にあります。基礎から応用を見据えた展開が可能で、食料、生命、環境と密接にかかわる科学領域を支えています。

なかでも、分析化学という領域は、農芸化学が誕生して以来ずっと基盤となる学問領域で、近年著しい発展を遂げた質量分析法は食品分析や創薬化学をはじめ、農学、薬学、生命科学において極めて重要な地位にあります。これは、田中耕一博士による「マトリックス支援レーザー脱離イオン化法」が京都の地で誕生してから、生体高分子の質量分析法が飛躍的に発展したことに依ります。

本企画では、田中耕一博士による発見からこれまで如何に質量分析法が利用され発展してきたか、そして、今後どこに向かって進化し続けるのかについて、この分析技術を世界的にリードする研究者の講演に耳を傾けるとともに、我々研究者との熱い議論を繰り広げたいと考えております。

日時 2026年310日(火) 1500分~1800
会場 同志社大学室町キャンパス寒梅館ハーディーホール

講演およびフロアからの質疑を交えたパネルディスカッション

プログラム
  • 15:00 ~ 15:50
    田中 耕一(島津製作所 エグゼクティブフェロー)

  • 15:50 ~ 16:25
    馬場 健史(九州大学生体防御医学研究所・大阪大学大学院医学系研究科 教授)

  • 16:25 ~ 17:00
    Peggi Angel(サウスカロライナ医科大学 教授)

  • 17:00 ~ 17:35
    Martina Marchetti-Deschmann(ウィーン工科大学 教授)

  • 17:35 ~ 18:00
    パネルディスカッション