ご参加頂いたみなさま、ありがとうございました。

概要

日時 2009年1月31日(土) 午後3時から4時10分まで
場所 三省堂書店神保町本店2階 喫茶「ピッコロ」
テーマ 味の不思議 -味覚修飾タンパク質“ネオクリン”を例として
講師 東京大学大学院 農学生命科学研究科
教授 阿部啓子氏
講師略歴 1983年  東京大学で学位(農学博士)
1992年  東京大学農学部助手
1994年  東京大学大学院農学生命科学研究科助教授
1996年  東京大学大学院農学生命科学研究科教授(現在に至る)
1986年  (社)日本栄養・食糧学会奨励賞受賞
2006年  安藤百福賞大賞受賞
2007年  日本農芸化学会賞受賞
コーディネーター 毎日新聞科学環境部 吉川 学氏
共催 財団法人農芸化学研究奨励会、日本学術会議農芸化学分科会、三省堂書店
内容 食品に含まれる味物質は口腔内にある味蕾の味細胞で受容され、その情報が味神経を介して中枢に運ばれ、甘・酸・塩・苦・旨の味の感覚(味覚)が生じます。

しかし実際にはもっと複雑なケースがある。私たちは、熱帯植物から精製し、構造決定した新しい甘味タンパク質ネオクリンに、酸味を減弱し、甘味をスクロースの500倍にまで増強する味覚修飾活性があるという「味の不思議」の解明を行いました。

ネオクリンは中性条件下では甘味レセプターと結合するものの、これを活性化しないこと、酸性条件下では自らの構造を変化させて甘味レセプターと強力に結合し活性化することからこの味覚の不思議を物質科学・生命科学の両側面から解明しました。 参加者の皆さんにはこれを体験して頂きます。

参加者の方のご意見

  • 小規模で開催されているのが惜しいくらい面白い講義でした。しかし、それがまた面白くしているのかとも思います。
  • 実生活の中で普段から体験している事柄についての内容だと、より科学が身近に感じられるのでよいと思います。
  • 理系のことはあまり詳しくないのですが、内容の一部に私たちの生活とどのように関係するか‥も説明があり、勉強になりました。ありがとうございます。
  • 今回は「ネオクリン」を例に話しを始めたが、先生の目標とする研究の姿まで発展しておもしろかった。
  • 本日の味覚の話、大変おもしろく聞きました。味覚って感覚かと思っていましたが、分子レベルで記述できるというところが目にウロコです。

会場風景

サイエンスカフェ

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