報告

2012年1月26日(木)に、さんわか第15回勉強会「食・農に貢献するオミクス研究 ~さまざまなオミクス解析をどう使いこなすか?~」を大阪大学中之島センター(大阪市)にて開催しました。

当日は、約30名の方にご参加頂き、東京家政大学 藤森文啓先生からは食用キノコ(マイタケ)のde novoシーケンス解析結果から得られた正確な遺伝子予測の重要性と研究成果のキノコ産業への活用例についてご講演頂きました。

宮崎大学 榊原陽一先生からは農芸化学領域の研究者が手軽にプロテオミクス研究を開始する方法や食品成分、酵母育種への活用法についてご紹介頂きました。

大阪大学 馬場健史先生からはメタボロミクスにおける化合物同定の精度向上、脂溶性代謝物を分析する新技術、解析データの多変量解析についてご発表いただきました。

また、企業からも、キリンホールディングス株式会社 吉田聡先生から美味しいビール作りのための酵母育種と実用酵母を取り扱う研究の難しさについて、花王株式会社 影山泰先生から環境に優しい物質製造のための高機能性宿主を目指した長年の研究成果について、それぞれご講演を頂きました。

各講演は農芸化学領域で未だ事例の少ないオミクス活用に関する貴重な内容であり、本領域の研究を新展開させるためのオミクスの有用性と将来性について分かりやすく伝えていただきました。発表の後には最先端で各種オミクスを活用されている先生方や、オミクスに興味を持っておられる先生方からの活発な質問があり、引き続き行われた懇親会でも、足りなかった質問時間を補うかのように議論の輪が出来ていました。

さんわか勉強会15-1

さんわか勉強会15-2

日時 2012年1月26日(木) 13:30 -17:00 (13:00~ 受付)
場所 大阪大学中之島センター 7階セミナー室(JR大阪駅よりタクシー約10分、又は阪神電車福島駅より徒歩10分)
主催 日本農芸化学会・産学官若手交流会 (通称:さんわか)
共催 日本生物工学会若手研究者の集い(生物工学若手会)
参加費 無料ただし、交流会参加のみ実費(5,000円)
開催趣旨 オミクス技術の進歩により、ゲノムから代謝物に至るまでの生体内の網羅的解析が可能となりつつあります。しかしながら、食・農の分野における活用事例はまだまだ少なく、オミクスで何が出来るのかが分からないという研究者も多いのが現状ではないでしょうか。そこで、今回のシンポジウムでは、ゲノム、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームにまつわる、食・農分野でのオミクス研究のシーズや応用事例について先駆者の先生方にご講演頂き、オミクスへの理解を深めるとともに今後の研究の発展に向けた活発な議論を行いたいと考えております。
プログラム 13:30 – 13:40
はじめに
さんわか第5期メンバー世話人代表 北野克和

13:40 – 14:15
食用キノコ(マイタケ)のDe Novoシーケンスから見えてきたこと 東京家政大学 藤森文啓

14:15 – 14:50
プロテオミクス:農芸化学領域への応用と展開
宮崎大学  榊原陽一

14:50 – 15:25
メタボローム解析の実際-要素技術と効果的な利用法
大阪大学 馬場健史

(休憩)

15:35 – 16:10
実用酵母のオミックス解析と育種への応用
キリンホールディングス株式会社 吉田 聡

16:10 – 16:45
オミクス解析と枯草菌ミニマムゲノムファクトリー
花王株式会社 影山 泰

17:00~交流会(大阪大学中之島センター 9階交流サロン)
参加申込 件名を「シンポジウム参加申し込み」とし、氏名・所属・連絡先メールアドレス・交流会参加の有無をE-mailにて、下記のアドレスへご連絡ください。
※申し込み先着順で定員に達し次第、締め切りとさせていただきます。
※お申込みいただいた個人情報は,参加確認および今後のさんわかシンポジウムご案内以外の目的には使用いたしません。
問い合わせ先 大阪大学大学院工学研究科生命先端工学専攻 本田孝祐
TEL:06-6879-7438
E-mail