団体名 (兵庫県)明石市立野々池中学校科学部
開催日 2021年10月8日(金)
場所 明石市立野々池中学校(明石市沢野1丁目3番地1号)
授業の名称 「納豆菌の酵素パワー:美味しさと消化のしやすさの理由」
講師 吉田 健一 氏(神戸大学大学院科学技術イノベーション研究科 教授)
聴講者 明石市立野々池中学校科学部部員(1年~3年)25名
報告

納豆の発祥、製法、納豆菌や納豆のネバネバについて説明を受けた。更に酵素について説明を受けた後、納豆菌のタンパク質分解酵素の働きとそれに由来する納豆の美味しさについて説明を聞いた。その上で、納豆菌のタンパク質分解酵素の働きを確かめる実験を行った。最初の講義部分で、しっかり納豆菌について説明を受け実験の内容も詳しく教えて頂き、全体像を把握した上で生徒は実験に入る事ができた。生徒の中には講義の途中で挙手して質問する者もいたが、丁寧にその疑問に答えて頂き、とても分かりやすく講義を聴くことができた。実験では普段使用しない薬品などもあったが、先生が必要量を分液した状態で生徒に配布して下さりスムーズに実験ができた。フェノール試薬と反応して色が変わる試験管と対照実験として行った水の反応の違いがしっかりでたグループは実験の成功に大変感動していた。一方、上手く違いが出なかったグループも、先生の「なぜ失敗したか、原因を追及し同じ失敗を繰りかえさなければ失敗は有効」との言葉に「失敗しても、その失敗を繰り返さないように分析する」ことの大切さを学ぶことができた。実験から人生論まで多くのことを教えて頂いき大変貴重な経験ができた。科学に興味を更に持ってくれることを願い、今後も科学部の活動を続けていきます。ありがとうございました。

授業風景

写真

生徒さんの感想

  • 納豆菌がどんどん増えていくのが凄いと思い感動しました。なかなか死なない事や吸水性など、とても万能なのだと驚きました。実験は2人だったのであわあわしましたが、面白かったです。
    『間違ったら「どうしてそうなったのか」を考えて、同じ失敗を繰り返さないように気を付ける』というのを心に留めておこうと思いました。(2年生)
  • 納豆のネバネバについて気になっていたので、いろいろ聞くことができて楽しかったです。理科の授業で酵素を勉強していたので、一緒に勉強できて良かったです。中学生になって納豆が好きになっていたのでいろいろ気になりました(2年生)。
  • 今日は納豆の実験などがとても面白かったです。先生のお話をいろいろ聞くことができて楽しかったです。家に帰って家族に話したいです。初めて使う道具や物質も多くていろいろ分かりました。とっても楽しかったです。(1年生)
  • レベルの高い授業がものすごく面白かったです。分かりやすくて楽しかったです。あんな感じの菌について初めて教えてもらったのが特に面白かったです。納豆菌強すぎ。この生命力をどうにかできたら面白そう。あと、酵素についての話は、人の体に5000~10000種類あるというのが驚きました。(1年生)
  • 実験で感激したのは、遠心分離です。白く濁っていたものが機械を通すと透明に変わって驚きました。1万回以上も機械の中で回っていると聞き、科学部で使う事のない機械を拝見できてとても嬉しかったです。実験で行う手順に関して、それで起こる変化、意味も説明して頂き理解が深まりました。危険な薬品も、酵素で切れなかったものを沈殿させる効果があり、入れるときは怖さよりもワクワク感が出てきました。試薬を入れ、試験管を振るとパッと青味を帯びる様子はとても興味をそそられました。
    実験を通し、人生を除き見て感慨深い気持ちになりました。私たちが普段見られないものを見ることができたこと。見られない立場から、人生を見通したこと。かなり貴重な体験をさせて頂いたこと感謝しています。納豆を食べる際には、この実験を思い出しながら食べると思います。(3年生)