団体名 (大阪府)大阪教育大学附属天王寺中学校
開催日 2025年122日(火)
場所 大阪教育大学附属天王寺中学校(大阪府大阪市天王寺区南河堀4-88)
授業の名称 「研究って何?-中学生のあなたへ-」
講師 森 直樹 氏(京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 応用生化学講座 教授)
聴講者 2年生144
報告

森先生には、ご自身が取り組まれている「カイコガのフェロモン」や「ヤマカガシの毒成分」に関する研究についてお話していただきました。特に、動かなかったカイコガの雄が、雌を近くに置いた途端にフェロモンを感じ取って動き出す映像は、非常に印象的でした。

また、ヤマカガシの毒は自ら作り出すことはできず、毒をもつヒキガエルを食べることで体内に取り込むこと、さらに妊娠したヤマカガシがヒキガエルを食べて卵に毒を送り、子を守る仕組みがあることも学びました。加えて、研究テーマはすぐには見つかるものではないことや、研究のやりがいは「新しい知見」にあること、そして研究において大切なのは、「運(幸運に巡り合うこと)・鈍(物事に敏感に反応せず、こだわりを持って取り組むこと)・歓(喜ぶ・楽しむ・交わること)」であると教えていただきました。

森先生は中学生にも理解できるように、わかりやすく丁寧に説明してくださり、事後のアンケートでは、ほぼ全員が授業内容に興味をもち、「良かった」と高く評価していました。

今後、自由研究に取り組む後輩にも、ぜひ聞いてほしい内容の授業でした。

生徒の感想
  • 最近自由研究や勉強などやらないといけないことが立て込んでいて、「ちゃんとした結果にしないと」と思っていたけれど、楽しみながらドンと構えていたほうが良い未来につながるのかもしれないと思った。
  • 自分が生物の分野が好きで、特に毒などは興味があったので面白かった。
  • 実際に行う実験方法の過酷さや楽しさなどがはっきりと伝わってきた。最後には名言なども教えてくれて、自由研究を進めるための授業になった。
  • 専門用語などが多くて難しいところもあったけれど、「?(疑問)」が「!(発見)」に変わっていく過程の面白さを、講演を聞きながら感じることができてとても興味深かった。
  • 少しむずかしい部分があったけれど、最初の方の蚕の実験がすごく面白かったし、最後の研究期間30年は私には無理だけど、人のペースがあるから焦らずに実験を進めるというのがすごくためになったと感じました。
  • 面白くて、また聞きたいと思った。普段大学の教授をしている人が中学生にわかりやすいようにしてくれていてありがたいと思った。
  • 森直樹先生の研究していることについて難しい内容だったけれど、今回の授業を通して、研究をすることの意味や研究をしている人からしかわからないあきらめない心や新しいことを知りたいと思う気持ちが感じられました。これを自分の自由研究にも活かして、今まで以上になぜ?の気持ちを大切にしようと思いました。
  • 途中難しいところもあったが、研究について話しているときも楽しそうだったので、研究は楽しんでやることが大切なんだな、と思った。また、30年も研究をしていることを知って、続けて研究することは大切ということが分かった。
  • あまり生物の知識がなかったのでヒキガエルやホタルに毒があるのにびっくりしました。たくさん新しい知識を得たのでとても楽しかったです。
  • めっちゃ謎解きみたいで楽しそうだなって思った。自分の仕事っていうか研究にすごく自信を持っていたので、私も自分の研究に自信をもって発表したいなと思う。世界で初めてのことを見つけるということは、誰も持たないような視点で物事をみたり、考えたりしてるのかなと思うので、それも見習えたらいいなって思う
  • 内容は難しかったけれど、先生がすごく楽しそうに話されていたので、講義の中で大事な部分がわかりやすくて興味深かった。また、いずれ大学などに行ったらやるであろうことを先取りして学べた気がして、将来を考えるきっかけにもなった。
  • 最近生物に関する本を読み終えて生物に興味を持ち始めていたため、更に学びを深めることができ良かった。自由研究についても行き詰まっていたため助かった。
  • 自分の自由研究を論文執筆する時に役立てそうなことを学べたから。また、同じ生物を日本と中国で比べて観察していたのが面白かった。

授業風景

写真 写真
写真