概要

日時 2013年3月14日(木)11:00~12:40
学校 宮城県加美農業高等学校
対象 1,2年生約180名、教職員約30名、近隣住民約10名、他校教員約5名
テーマ 放射線と放射能
講師 白井 理 氏(京都大学大学院農学研究科 准教授)
内容 平成23年3月11日に起こった東北大震災による津波の被害を受け、福島第一原発が爆発事故を起こした。この事故により大量の放射線物質が周囲に放出されたが、情報が混乱しているため、被災地及び関東圏の住民を不安にさせている。そこで、事故の概要、放射性元素の予想放出量とその広がり方、汚染状況と除染の効果、被曝の影響を述べた。その後、事故前から存在する環境中の放射性元素や宇宙線などによる影響も説明し、ガイガーカウンターによる実測も行った。
報告 派遣報告:宮城県加美農業高校は明治33年に加美郡蚕業学校として創立され、大正11年に宮城県加美農蚕学校、昭和23年に宮城県加美農業高等学校と改称して現在に至っている伝統校です。東北大震災では大きな被害はなかったものの、原発事故の影響で放射性セシウムによるホットスポットが周囲に出現し、対処に追われているとのことでした。事故の概要や影響を多くの写真や絵を用いて説明したので、おおよそのことはお判り頂いたようです。放射線の測り方を説明したのち、放射線量を実測して、バックグラウンドは京都などより低いこと、カリウムを多く含む食品や肥料などでは若干線量が上がること、土壌にもウランやトリウムは含まれているなどを説明した。学生から除染の効果についての質問があり、周辺があまり汚染されて
いない地域ではホットスポットの土壌処理を行うとよいことを述べた。但し、牧草地や森林地帯などではセシウムが滞留してしまい、広範囲の場合は非常に困難であることも資料を示しながら説明した。

出前授業を受けた生徒さんたちの率直な感想

  • 放射線により、遺伝子やDNAが欠損したりすることが白井先生のお話をうかがってよくわかりました。
  • 新聞やテレビで見るよりもずっと詳しく放射能について知ることができました。
  • これから生活をするうえで、今までよりも放射線について気にとめていきたいと思います。
  • 内部被ばくについてよくわからなかったのですが、先生の話を聞いてよくわかりました。
  • 今回先生のお話を聞いて感じたことは、放射能の問題をもっと深く考えなければならないということです。私たちは、宮城に住んでいるということで、放射能で不便を感じることが少ないため、無関係と思ってしまうところがあります。しかし、放射能がどれだけ私たちに影響を与えているのか伺い、もっと知らなければならないと思いました。これからは自分にできることに取り組んでいきたいと思います。

授業風景

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