2025年4月25日

公益社団法人日本農芸化学会
会長 西山 真

日本農芸化学会は、1924(大正13)年に設立され、2024(令和6)年7月1日に創立100周年を迎えることができました。我が国の農芸化学は、先輩諸氏のたゆまざる努力によって、生命現象についての化学的な解明を推し進めると同時にその成果を基盤とした応用技術を発展させ、生物生産の分野において他に例を見ない独自の学術体系を形成するとともに、多くの顕著な成果を挙げてまいりました。

こうした研究分野に携わる研究者、技術者等で組織された日本農芸化学会は生命科学とその応用を担う中核学会として、現在、総数約1万名の会員を擁する我が国有数の学会に発展しております。この分野の人材を育む全国の大学においては学部学科の改組、改称等が行われたものの、本会は「農芸化学」の名称を堅持し、分野間の垣根のない横断的な研究領域を包含する組織として広く認知され、求心力を誇る存在となっています。

既に昨年9月以来、各支部のご尽力により、新しい代議員の選出を終え、4月27日に公益法人化後最初の総会が行われる予定です。同時に支部においても評議員制度の廃止を余儀なくされたため、多くの支部では支部評議員会に代わって参与会を発足させ、支部の活動を支えていただくことになっております。

近年の化学と生物にかかわる国内外の科学と技術の進歩は、もはやこれまでの概念をもってしては包括し得ない広がりをみせており、ゲノム編集、オミクス解析、データ科学や人工知能なども取り入れながら、これまで以上に人類社会への貢献に資する研究が進められています。このような新しい潮流の中で、化学と生物に基盤をおく日本農芸化学会は、真理の探究を目指した学術研究のさらなる深化にとどまらず、産業の振興や地球規模の課題解決に大きく貢献することが期待されています。そのため、2012年には公益法人化し、さらに2017年には公益財団法人農芸化学研究奨励会との合併を実現して、透明性の高い組織運営と財務基盤の安定化を図ってまいりました。

創立100周年記念事業の一環として、「FUTURE農芸化学100」と銘打った記念事業を計画し、寄附を募集したところ、会員諸氏より総額約3400万円の御支援が集まりました。創立101年目となる2025年3月より、農芸化学分野の未来の発展の礎として、若手研究者の支援に着手したところです。将来の農芸化学研究のさらなる発展を目指した未来への投資と考えております。

「FUTURE農芸化学100」短期海外滞在助成金交付候補者の募集
「FUTURE農芸化学100」若手研究者スタートアップ助成金交付候補者の募集

本支援をより長く継続すると同時に、本会の活動を整備し、活発化させることを通じて、農芸化学研究の進歩普及の使命を果たしていきたいと考えております。今後とも、本会の活動全般に対し、さらなる醸金をお願い申し上げます。
何卒、会員各位の絶大なご協力とご支援を賜りますよう切にお願い申し上げる次第です。

申込方法:指定のフォームにて必要事項並びに申込口数をお知らせください。

【お問い合わせ先】
公益社団法人日本農芸化学会 会計係